Shadow, Lulling the Fish to Sleep
Hyogo Prefectural Museum of Art presents Collection Exhibition I: Special Feature — Form in Art: Perceiving with the Hand
Hyogo Prefectural Museum of Art in Kobe City (2025)
影、魚をねかしつける
兵庫県立美術 コレクション展Ⅰ 小企画
「美術の中のかたち―手で見る造形」(2025)
Plaster, wood
石膏・木
展示設計:大室佑介
Photo: Hayato Wakabayashi
会期:2025年9月5日(金)-12月14日(日)
会場:兵庫県立美術館 常設展示室5(東側)
主催:兵庫県立美術館、「瀬戸内美術館連携」プロジェクト実行委員会(事務局:公益財団法人 福武財団)、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁
協賛:公益財団法人伊藤文化財団、サンシティタワー神戸(株式会社ハーフ・センチュリー・モア)、株式会社アトリエ安藤忠雄
協力:認定NPO法人神戸アイライト協会、点訳ボランティアグループ連絡会、株式会社アートフロントギャラリー
Installation view
影、魚をねかしつける。
「粘土」
粘土を捏ねる時、私の内部に矛盾が無くなる。
身体と心が一つになって、まるで海で泳いでいるみたいだ。
まだ形の無い、粘土のカケラに水を含ませ、泥から形を作る。
泥で形を作っていると、ある時、存在の気配が現れる。
その存在を、信じて探す。
私が諦めたら彼らの存在は不完全なまま、本当の事にならない。だから探し続ける。
「物語」
沢山の人が何かをしている。その仕草が他者に影響したり、しなかったり、
繋がったり、繋がらなかったり。物語は始まりそうで始まらない。
沢山の主役の沢山の物語の中で立ち止まってどこから始めようか、迷っている。
「石膏取り」
型取りが終わると、真っ先にその内部に手を差し入れて、
濡れた石膏の温度を感じながら崩壊した人たちを確かめる。
人たちの形は再び泥になる。
表裏は入れ替わり、向こう側の景色は埋まる。粘土の側に入る。
石膏の内側に影が張り付き、新しい気配を生み出す。影に触る。
「触る」
大きな流れを読む事と反対に、ひとまず手の届く場所を確かめる事は、
きっと何かを始めるきっかけになる。
触ってそこに、ぽっかりと空いた空洞を確かめる。
気配の形は、
物語の断片は、
ほっぺたの柔らかさに触れる瞬間から始められる。
不確かさを確かめる。
指先で、手のひらで、両方の手で、抱きしめるみたいに。
「ねかしつける手」
ねかしつける手つきは、
ここに居ないよになる前の、ここに居るよの優しいサインだ。
2025年9月26日
中谷ミチコ
「中谷ミチコさん 影、魚をねかしつける。 Shadow, Lulling the Fish to Sleep 鑑賞の御礼」
半田こづえさん(ふれる鑑賞研究者・明治学院大学非常勤講師) より

























